ウクレレの歴史

「ウク」が「レレ」しているんです!ノミが飛び跳ねているんです!しばらくウクレレのウンチクにお付き合い願います。

ウクレレの歴史

ウクレレ(ハワイ語でʻukulele)は、4弦の小型弦楽器です。歴史はとても浅く、18世紀終わりごろが発祥です。にもかかわらず、発祥がいまだ謎に包まれています。

ポルトガルの楽器が起源ともブラジルが起源ともあるいはスペインとも言われていますが、様々な文献を原文で読ん だ結果、ポルトガルの説をこのブログでは採用しています。

ポルトガル移民が1879年の8月23日(ウクレレの日を設定するためにこじ付けで選ばれた日です)に持ち込んだブラギーニャと呼ばれる楽器を起源とします。形、大きさともにウクレレそっくりで、同じく4弦楽器です。補足ながら、ブラジルの弦楽器カヴァキーニョもブラギーニャが祖先とされています。見た目はKALAのウクレレそっくりです。

当時のハワイ音楽といえば、カヴァ・カヒコ(パフードラムを叩きながら行われる儀式)の伴奏に使われるチャンティング、独特の抑揚があります。通常のカヒコ・フラ(古典フラ)は、ドラムの替わりにイプヘケ(瓢箪)でリズムを奏でてフラが踊られていました。そこにキリスト教の聖歌が入ってきて、ハワイ音楽文化が始まります。ハワイアンチャント独特の抑揚を残しながら、西洋の音楽を取り入れ始めたのです。

 ただ、ハワイアンにとって不満だったのは、教会の中でしか音楽を楽しめなかったこと。ピアノやオルガンが弾ける人なんか当時はいませんでした。そこで入ってきたブラギーニャ。小さくて持ち歩きもできます。いつでも集まって歌を唄うことができます。早速取り入れられ、一大ブームになりました。自分で作ろうと思う人も増えたということは、当時のブームは相当なものだったでしょう。

そして、ある人が言ったんでしょうね。「ノミが飛び跳ねているようだ」と。ウクレレという言葉はハワイ語で「飛び跳ねる(lele)ノミ(ʻuku)」という意味で、当時の人気奏者のあだ名から取られたとも、小さな楽器の上で奏者の指が目まぐるしく動く様を表現したとも言われていますが、僕は最初はハワイアンのジョークから始まった一言だったと思うのですが、楽器の名前として定着したんだと推測しています。 

タヒチ島のタヒチアン・ウクレレ(8弦)もルーツは同じと考えています。ハワイ人の移民ルートはタヒチから広がったとされる説が現在は有力なのですが、楽器はこの移民ルートの逆をたどったと僕は考えています。

ハワイ王朝末期には、有名な音楽家が二人いますね。King David Kawika KalakauaとQueen Lydia Liliʻuokalaniです。前者はフラとハワイアン文化の復興に力を注ぎ、Merry Monarch(陽気な王様)という有名なフラコンペティションにも名前が残されています。後者はアロハ・オエやハワイ・ポノイの作者で、ハワイ王朝最後の女王です。ウクレレは特にこの二人によって、文化が花開いたと思います。王朝末期に在位していた二人は、ハワイ文化が失われるのを危惧していたことも理由にありますが、何よりも音楽が好きだったこともあり、ウクレレを広く民衆に広める役割を担いました。

さて、日本では小中学校と縦笛を習いますよね?カナダでは学校指定の楽器はウクレレで、義務教育で習います。カナダ人に有名なウクレレ奏者がたくさん現れるのも納得です。韓国、台湾、日本での人気ぶりもここで書くまでもありません。非常に良く似た楽器にブラギーニャやカヴァキーニョなどもあるのに、何故ウクレレは世界的に人気なのでしょう?

僕が通っていた学校では、20人に1人くらいは学校にソプラノウクレレをケースなしでそのまま持ち歩いて、放課後カニカピラをしながら皆で唄う。そんな身近さがウクレレの魅力なのでしょうね。

白人はウクレレのことを「ユークレリ」と読みます。英語読みがそのまま定着したんですが、僕はこれがとても不満です。僕の教室にも、「ユークレリ」と呼ぶ生徒さんがいますが、何度言っても矯正してくれません。へへ。ハワイアンはちゃんと「ウクレレ」と発音しますよ。もちろん。

質問などありましたらコメントくださいね mahalo