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特集:ハワイアンウクレレブランド

ハワイアンウクレレブランド

こちらの特集は、800以上あるあまたのウクレレのなかで、特にご紹介したいブランドを厳選してご紹介。オンラインショッピングやオークションなどで見慣れないウクレレを見た。店に売っていない、人が持っていない個性的なウクレレが欲しい。またはどんなウクレレが自分にあっているのかを探したい。 そんな時に活用してください。不定期でブランドを追加していきます。アルファベット順ではなく、どうしても知ってもらいたい順番で並べてあります。気に なったブランドはググってみてくださいね。

Nunes ヌネス:ポルトガル移民、労働者(マシェット職人・刀打ちみたいな職人)としてハワイに移民したマニュエルヌネス(Manuel Nunes)は、木工技術に優れていました。ハワイ固有の木であるコアを使ってブラギーニャ(ポルトガルの民族楽器)を製作したのがウクレレの始まりとさ れています。残念ながら1930年代で生産は終了しています。現在は楽器というか、コレクターズアイテムとして、美術品の扱いですね。個人ウクレレマニュファクチュアーなので、本数もあまり出回っておりません。

Kamaka カマカ:老舗中の老舗。創始者サミュエルカマカ(Samuel Kamaka)は、上記のマニュエルヌネスの元で修行を積む。創始者マニュエルがウクレレ製作を辞める一年前の1916年に創業。耳の聞こえない技術者 が、木材の振動を感じて、制作が進められます。耳が聞こえないからこそのクオリティの画一化が保たれます。本当の職人魂が感じられます。厚みのある一本芯 の通った音が特徴。

Yasuda:知ってますか?ロン・ヤスダさん。カマカウクレレで1958年から1977年までに活躍した職人さんです。 しかもこの時期は、カマカがあのゴールドレベルを作っていた時期と合致します。1977年に定年退職して一人で工房を始める。定年後の趣味の世界なので、 生産量は少ないですが、聴覚障害者であるがゆえの均一な品質と、コア材のみにこだわった材料の見極めは特筆。

Kumalae クマラエ:ジョナクマラエ(Jonah Kumalae)はハワイの実業家で政治家。1911年創業。ウクレレの合理的な大量生産により、1920年アメリカ本土にてウクレレ第一次ブームが起こ る。最盛期は月産600本を誇っていました。サンフランシスコで行われた展示会で金賞をとったことにより、「Gold Award」の名前を冠する。残念ながら1940年代に生産終了。

KoAloha コアロハ:パパコアロハ、アルビン大上(Alvin Okami)さん創業。ミュージシャン友達、アンコーハーブオオタさんから、ミニチュアウクレレを作って欲しいと無理なお願いをされ、どうせ作るならちゃんと弾けるミニウクレレを、と作ったのが始まり。すごいねー。じゃウクレレも作ったら?といわれたかどうかは定かではありません。もともとアクリル工場経営だったので、ウクレレ製作修行を積んでいないことが、大胆な内部構造やサウンドホール形状など、常に新しいアイデアを試し続ける新しい発想の源。可愛いウクレレらしいコロコロとした音色とワンサイズ大きめのボディー並みの音量を誇る。 家族経営なので月産は少なく、ウェイティングリストで一年待ちのはずなのに、何故日本のオンラインショップではいつでも手に入るのだろう。不思議だ。パパコアロハのお話は、ドラマ化されたこともあります。

Koalana コアラナ:コアロハの廉価版ブランド。そのクオリティの高さには疑いがないですし、しかも安い。買わないはずがありませんよね。

G-string Gストリング:カパフルの自宅ガレージからスタートした新興メーカー。1993年創業。常にハイクオリティなウクレレを製作するための努力を怠らない。職 人全員がスタートからフィニッシュまでの製作行程を理解しているため、全てのウクレレが個人職人が製作したかのようなクオリティを持つ。日本でのプロモー ションが成功を収めたので、日本国内では絶大な人気を誇る。

Hawaiian Style ハワイアンスタイル:ハワイアンスタイルというサーフショップが、アラモアナショッピングセンターマウカサイドの一階、陽の当たらない駐車場側にありま す。Gストリングがこのショップ用に制作したハワイアンスタイルのウクレレ。大量生産のため、廉価版としての扱いだが、真のクラフトマンシップの証明、G ストリングスピリッツは継承。

Ceniza by T&K セニーザ:オアフ島ワイアナエの豊かな自然と渓谷に育まれ、Thomas & Katharineの夫婦二人で生み出される。この工房から飛び立つ全てのウクレレが愛のつまった、二人の息子たちです。2009年に奥様を亡くされたの で、もう美しい息子達は生まれてきません。とても弾きやすく、音も美しい。弾けば弾くほど音量が増します。日本国内で10万円以内で見つけたら買い。ハワイに訪れた際は、見つけてみてください。以前は700ドルくらいで売っていましたが、製作が中止されたので幻のウクレレとされています。ハワイでは簡単に売れる値段ではありませんので、現地ではまだまだ弾数がたくさんあります。今はいくらで売っていることやら。コアロハ、カマカなど、日本のウクレレブランド信仰に疲れている方は、こんな個性的なブランドはいかが?

Valley Made Ukulele ヴァリーメイドウクレレ:セニーザは残念ながら生産を終了していますが、甥夫婦のJerome & Debraがセニーザイズムを受け継ぐ。叔父夫婦と同じオアフ島ワイアナエの渓谷に工房を構えるため、Valley Madeと命名。弾きやすさはそのままだが、時により新たな挑戦を試みた前衛的なデザインのモデルも存在する。

Sonny D サニーD:オアフ島ワイパフにあるひっそりとした工房で、サニー師匠が一人で生み出すこのウクレレは、ソロ弾きをスタイルとする地元ミュージシャンの間で は絶大な人気を誇る。彼らは直接工房を訪れ、まずはサニー師匠と友達になってから、ゆっくりと待つのが決まりごと。時間はいくらでもあるので、待ってくれるのだ。

Ko’olau コ・オラウ:元マーチンやギブソンの契約リペア職人だったJohn Kitakisがハワイ、コ・オラウ山脈のふもとで創業。ギターとウクレレの製作を手がける。本格アメリカンギターブランドであるマーチンは1977年以降ウクレレの生産を終了していますので、同様のクオリティを求めるならどうぞ。地元プロスラックキーギタリストやソロウクレレプレイヤーに好まれているこ とから、単音が一本筋の通った骨太な音が予想される。

Pono ポノ:コ・オラウの廉価ブランド。廉価版と言っても侮るなかれ。本家コ・オラウ同様、単版の板のみで製作される。新品を買うと、なかなか音の鳴りが良くな く、毎日弾いて育てる必要がある。良い音を奏でるウクレレに成長するまでは、少なくとも5年はかかるであろうと推測されますし、湿度の調整も細心の注意が必要。音の性格は、コアロハの正反対。アメリカンスピリットを感じる筋の通った音なのである。よってクオリティはコ・オラウ同様と考えた方がよい。同様のクオリティを保ちつつ、新ブランドにて価格を安く広く提供したいというキタキス氏の情熱を感じる。

Kanile’a:トップクオリティ、価格もトップクラスのハワイアンブランド。楽しい音という意味。Joseph Souzaの元で修行したKristen Souzaが1998年にカネオへで引き継ぐ伝統の工場。雨の多い地域なのですが、木材の倉庫に秘密があるのか、常にトップクラスの評価を受ける。クオリティに納得がいかなければいつでも返金させる永久保証。調整もいつでもどうぞと言っています。訪ねたらすぐに友達になれますのでいつでも訪ねてくださいとのこと。

Dias:レア度ナンバーワンと言われているウクレレ。ポルトガル移民のAugusto Dias。1880年代にNunesで修行して、ホノルルはキングストリートに工房をオープン。Nunes氏との考えの違いによる独立と言われています。その美しいインレイとバインディングは、カラカウア王の耳にも届くことになり、彼がパトロンに付く。

Fukuba:日本のメーカーのような名前ですが、ハワイアンウクレレブランドです。オーナーのCharles Fukubaさんは、オアフ島マカキロのIiwiウクレレの職人さんとして20年近くのウクレレ製作経験をもつ、ハワイでもっとも高い評価を受ける職人さ ん。オアフ島ミリラニの閑静な住宅街で少量ながら質の良いウクレレを作っています。残念ながらここまでしかわかりません。独立したのか、またはサイドで新 しいブランドを立ち上げたのか、わかり次第情報をアップデートします。

ʻI’iwi:前出のCharlie Fukubaさんがオアフ島マカキロで作る(または作っていた)ハワイアンブランド。 I’iwiのその特徴のある三連サウンドホールとカーリーコアの美しい木目の扱いにはプレミアがつき、ゴールドマスターシリーズと名がついています。とて も手が出る価格ではありません。

Kau’wela:ゼブラウッドが材料のウクレレがトレードマーク。カイルアに工場がある。カイルアといえば、カイルアのアンティークショップには、無造作に置かれたウクレレの山に、とんでもないウクレレが眠る。地元の人は目もくれませんが、わかる人が見ると、買って日本に持って帰ればちょっとしたお金儲けができます。けれど買うのは一つで我慢しておきましょう。買い占めは日本人の評判を下げる。

Maui Music マウイミュージック:上質のハワイアンコアを使った、luthier Peter Liebermanのクラフトマンシップが光る、25年以上のウクレレ製作の経験がものを言うブランド。細かいところに気を配るデザインと音色は秀逸。独特のコロコロとした音色とそのボディからは想像のできない音量が特徴。

Keli’i:トップクオリティのハワイアンブランド。Casey Mooreさんがオアフ島アイエアで作る高級ウクレレ。オーナーのお父さんはパールシティで有名な質屋さん経営で、地元の皆からは「POPS」パパさんという愛称で親しまれる。時に良いウクレレはこのような質屋に眠る。おすすめの質屋はワイパフにあるAA Waipahu Pawn Shop。オアフを訪れたら絶対に行くこと。生産は続けていますが、良い木材が手に入らないと2ヶ月休んだりしますので、品薄。

Keilani by Keli’i:表がコア、サイドとバック素材がマホガニーを使ったケリ・イの廉価版ブランド。廉価版といっても侮るなかれ。とても手が出ない金額で出回る。

Koa Pili Koko:Keli’iが提供する別ブランドで、アメリカ本土で流通する時に使われる名前。コアを使わずコアっぽい音と見た目を再現したのが特徴。

Cox Brothers Cocolele & Curio Mfgrs.:メイドインホノルル。ココレレ(ココナッツ半身をボディとしたウクレレ)で、現存するものはビショップミュージアムにあります。Patent No.2098701, Nov.9, 1938とあります。パテントが生きていればココレレはこの会社しか作れないのでは?パテントって7年間有効でしたっけ?永久有効でしたっけ?

Echo:Hawaiian Mahoganyカンパニー製作。ボディー内部にバネが仕込んであり、エコーとリバーブを起こす構造になっています。

Anahola:カウアイの職人さん、Michael Sussmanが手がけるウクレレで、40年の実績を誇る。他にヴァイオリンやギターも作る。HSFCAMFA(長い!Hawaii State Foundation on Culture and the Arts Master Folk Artist Tradition Bearer)とにかくハワイ州公認の文化継承芸術家の称号を持つ。コアウッドで作る、トップ板の美しいカーブと独特の形をしたサウンドホール。ググってみてください。このウクレレにビビビと来る人は少なくないはず。でも信じられないくらい高い。ウクレレ界のロールスロイス。

Akai:1910年から20年代まで製作のハワイアンブランド。他にも「Tabu」のロゴでも知られる。

Albert:あのクマラエがオーストラリアのJ.Albertの為に1915年から1934年まで制作して卸していました。

Aloha:様々な国のいろいろなメーカーがこの名前を使用してウクレレを製作。大半はお土産ウクレレなのですが、メイドインハワイの1920年モデルはクオリティ高し。

Ana’ole:オキナワンハワイアンのGareth Yahikuさんが作るハワイアンブランド。

Bear Creek Guitar:マウイのクラにてBill Hardinが作る。スチールギターに恋した職人が30年以上作り続ける。完全オーダー製。

Braddah:フィリピン工場から部品を仕入れ、マウイでMichael Rockさんが組み立てる。

Brüko Ukuleles:ドイツ製。HiloとAlohaのロゴでウクレレを作る。HiloもAlohaも複数の会社が同じロゴで制作。中国もあればメイドインハワイも存在。

Canopus:メイドインハワイ。サニーDの流れを汲むメーカー。

DeVine Guitars & Ukuleles:シアトル生まれのEric DeVineがマウイのラハイナに工房をオープン。13才から楽器製作を続けている。サウンドホールと美しい木目。

Duke Kahanamoku:サーフィンの神様。ワイキキに銅像が建つ、オリンピックの英雄。専門的な練習しないで金メダル量産したっていうんだから、スゴいね。そんな彼の名前がついたウクレレ。ハワイのお土産屋で、パイナップル型とソプラノ型の二種類。製作会社不明。

Hawaiian Ukulele Company:ハワイアンウクレレカンパニーというウクレレ屋さんのオリジナルブランド。

Island Ukulele of Kauai:その名のとおり、カウアイ生まれ。20年の楽器製作経験と木材の知識を持つRaymond Rapozoさんとそのお弟子さんがトップパフォーマーやウクレレコレクターのニーズにこたえたカスタムメイドウクレレを今も作り続けています。カーリーコアの扱いには定評があり、特に3種類のコアの材質とその幹のカーブにあわせた材料取りと湿度管理には間違いがありません。この木材の特徴である硬くクリアーな音質のウクレレを作り続けています。年間の生産量は少ないです。

LOCALS:お土産用ウクレレ

O Kona Ukuleles & Guitars:名前の由来はOf Kona。ビッグアイランドコナにある工房なので、「コナの」という名前です。木材と木目を大事に、コアウッドを使ってスタンダードなハワイアンウクレレを作ります。

Tangi:タヒチアンウクレレ

Universal Worldwide Trading:観光客用置物ウクレレ

Nahenahe:ハワイ語でメロディアス、やわらかい、やさしいの意味。マウイで昔作られていた伝統のウクレレ。現存するものはとても少ない。 Nice:一応ハワイ産。フィリピンで楽器製作を学んだEdmund Bacaniさんが1995年より頑張って作っています。弾いてみないとなんともいえません。

Niu Kani:1920年代のハワイ産。ココナッツのボディにトップはコアウッド。ヘッドは魚の尾のような形。見た目からするとウクレレというか、タヒチアンウクレレに近いかも。 “Niu Kani”とはココナッツの音という意味。

質問などありましたらコメントくださいね mahalo