これを読むだけで全部わかる?ハワイアンミュージックのストラミングテク徹底解剖

アップビートな曲といえば、どんな曲を連想しますか?ノリの良い、早い曲という答えがいつも帰ってきますが、これは間違いです。ハワイアンはスローソングもアップビートソングです。

なぜかというと、テンポがゆっくりでも、アップビートにアクセントがついてさえいればアップビートソングなのです。ここにハワイアン独特の旅情感がすべて込められているんです。

これを本当に体現できるまでには、早い方で2年かかりますし、また、もともとウクレレやギターが上手な方ほど、ハワイアンの独特な癖を覚えるのが困難になります。 僕の場合、もともとはジャパニーズロックギタリスト(というかBOOWYのコピー下手の横好き)だったので、4拍子の世界に住んでいました。

師匠に「違う」と言われ続け、リズムずらしのコツを理解するまでに5年以上を費やしました。

ある日ハワイアンの飲み友達と、とある日本のハワイアンイベントに出かけました。彼は音楽のことなど何もわかりません。

このイベントにはゲストとして、有名な日本のハワイアンミュージシャンが出てきました。とても上手で、僕は楽しく観ていたのですが、隣にいた彼が帰りにぼそっと一言「何かが違う」と。

あれから3年経って気がついたのですが、何かが違う、というのが僕にも最近理解できてきました。それは生まれ育った文化が違うためなのだと思います。 日本の方が踊るフラを観ても、彼らハワイアンは、盆踊りのようだ、と言います。バックミュージックがキチキチと合わせた4拍子で弾いている上に、フラのステップも、4拍子で一拍一拍の間にキチキチと止まる。このためだと思います。

よっ て、当ブログではハワイアンのリズムの癖を覚えるのが一番のポイントとさせていただいています。リズムの間を埋める。それによって、ハワイアン独特のハッ ピーな旅情が生まれる。ハワイ人は生まれもったリズム感覚で、これを「何かが違う」という表現になってしまうのですね。

そんなハワイアンをハワイアンらしく演奏するちょっとしたコツのお話。

さて、このウクレレのリズムずらしのテク、今までは無意識にやっていたのですが、教えるようになってから分析の必要がでてきた。たくさんのハワイアンストラミングテクニックをこちらでご紹介します。当教室で5年かけて教える内容です。長いので頑張って読んでくださいね。

ハワイアンストラミングの種類

まずはハワイアンストラミングの種類に関して。

シングル:一番最初に覚えるストラミング。4ビートの時はダウンアップを含めて8回弾くのですが、この8回を全て弾くのがシングル。シングルにもストレートリズムとハワイアンリズムと2種類あります。別記事で細かく説明しています。「ハワイアンリズムとストレートリズムを使い分けよう」

ベーシック:上記のシングルストラム、8回弾くという基本的なものですが、これに空振りの概念を付け加えます。

空振りをすることによって、右手の動きは常にアップダウンを繰り返します。これにより、右手の上下運動でビートのカウントができる、という考え方です。

こちらのパターンが基本。1拍目の裏と、3拍目の表を弾かないで空振る。

ワン アン ツー アン スリー アン フォー アン

↓   休  ↓  ↑   休  ↑   ↓   ↑

別記事で詳しく解説しています。「ゴーストストロークを覚えると曲を聴いてすぐ弾けるようになります」

ベーシックストラムは、基本ゴーストストローク(空振り)で、1拍の裏を空振りしてみたり、3拍の裏を空振るなど、自在に空振りができるようになると、どんなパターンが来てもすぐに対応できる素養が身に付きます。一拍目を空振りしてアップからストロークを始めると、とてもノリの良いジャワイアンが出来上がります。

こちらもシングルと同様、ストレートリズムとハワイアンリズムの2種類があります。ストレートリズムは、疾走感が生まれます。ハパハオレソング(英語の歌詞がついたコンテンポラリーハワイアンソング)や、ジャワイアンで使われます。反面、ハワイアンリズムは、これにリズムずらしを加えたもので、リズムを遅らせるスタイルです。フラダンスのバックミュージックに主に使われます。

ダブルストラム:文章ではうまいこと教えるのが困難です。映像を見てください。一番左の人がやっているストラムパターンです。ジャンジャンジャカジャン、ジャンジャンジャカジャンとかき鳴らします。テンポの速いフラソングによく使われます。

トリプルストラム:これもサンプルを聴いてみて。トリプルの表パターンと裏パターンとあります。見本のものは、表パターン。ダウンストロークからスタート。ジャカジャジャンジャン、ジャカジャジャンジャン。裏パターンはアップストロークから始めます。ジャンジャジャカジャ、ジャンジャジャカジャ。擬音ですみません。ベーシックストラムで覚えたゴーストストローク、空振りの概念を理解していないとちょっと難しいかも。ハワイアンスローソングによく使われます。

さて、基本的なストラムパターンをここまでご案内しました。ここからハワイアンミュージックのアレンジがもっと加わります。よりハワイらしく演奏ができるよう、下記に説明をつけ加えます。

ディレイドアップストローク(アップストロークずらし)

アップストロークのヒットに少し溜めを作ります。チャンカチャンカ・・・という阿波踊りのリズムを思い浮かべてください。「チャン」がダウンストロークで「カ」がアップストローク。スタートが遅れた分だけ、素早くストロークを終わらせ、次のリズムを奏でます。

リンギングストラム(ダウンストロークずらし)

直訳すれば、十分に鳴らしてあげるという意味。

スパニッシュダウンストロークとも言います。1960年代、70年代にハワイに受け入れられたスタイルです。ダウンストロークは、4弦全部をまとめて弾くのではなく、スパニッシュギターのようにバラバラと、バラけてゆっくりと弾いてあげます。手の動きやひじの動きでなく、指の動きがとても重要です。

ディレイドコードタッピング(コードずらし)

コードの押さえも遅らせます。リズムとリズムの間を埋める工夫です。特にスローソングにて絶大な効果を発揮します。

まずは、右手のストローク、4弦すべて開放弦弾きます。それが終わってからすぐに次のコードをハンマリングオン。ハンマリングオンとは、指を指板にたたきつけて、右手が鳴らした弦が鳴っている間に、強引に音を変更する奏法です。

右手のストローク時は、4弦全てを開放弦で弾きますので、常にAm7が鳴り響いている感じで、素早く所定のコードをハンマリングして、伸ばしているところで無理やりコードチェンジを4拍子おきにする感じ。4弦を開放弦で弾いてあげて、右手の仕事は終わっているのですが、左手の指をコードの形で指板上に叩きつけて強引にコード変更する感じ。その間に右手は次のストローク準備。うまく言いたいこと伝わってますか?

ワンフィンガー、ツーフィンガー

初心者は、ワンフィンガーからストラミングを練習しましょう。慣れてくると、ツーフィンガー、スリーフィンガーと増やしていきます。

音を聞き流して聴いてもらうとあまり伝わらないのですが、指の数を増やして、ほんのコンマ何秒の差で指がもう一本あたるだけでも音の広がりは大きく異なります。たった一本の楽器でも広がりを持たせることができる方とできない方がいるのは、このためです。

指の動き

それから指は第三関節から常に上下に動いています。指の上下と、下でこれから説明する手首の回転の複合運動がとても大事です。まずは腕と手首固定してまったく動かさずに、指の上下運動のみでストラムする練習を重ねてください。

これはハワイアンミュージシャンが良く言う、プレイウィズテイストです。 味のある演奏という意味。ストラミングは、ただ単にかき鳴らしているだけと思われがちですが、音に広がりを持たせる工夫を知らないと薄っぺらな音に響きます。

これができるようになったら次の課題に移ります。この指の動きができるようになってから、手首の回転運動を加えてみてください。

コンパクトに右手を動かす

ストラム時の右手の動きはとても重要。無駄な動きは省いてください。必要最小限で。そうしないとハワイアンっぽくない。

イメージとしては、肘を拠点に腕を上下に動かさないこと。手首の回転運動で弾く。パフォーマンス目的やボディータッピングを伴うシチュエーション以外は、決してひじを基点に腕を上下してはいけません。

なぜなのかはストラミング上級者レベルにたどり着いたらわかります。早いストラミングやダブルストラム、トリプレットを行うときに腕の筋肉が疲れて、力が一曲分持たないからです。

シンコペーション

簡単に言うとリズムの先取りです。1拍目などを半拍早めに弾いてあげて、グルーブ全体が、前に、前に動く感じを演出します。ハワイアンに限らず、すべてのジャンルで使われるテクニックです。ハワイアンでは2拍目の頭、3拍目の頭、4拍目の頭がシンコペされます。ノリの良いリズムに生まれ変わります。フラソング、ハパハオレに限らず、ハワイアンカントリー、ジャワイアンなど、すべてのハワイアンジャンルで使われます。サンプルを観てください。頭の中でビートを数えながら観ると理解しやすい。ワン、と数える前にワンが弾かれている感じ。

カッティング奏法

こちらもハワイアンに限ったテクニックではありませんので、詳しく知りたい方はカッティング奏法とグーグル検索かけてみてください。バーコード(4弦すべてを押さえるタイプのコード)で使われるテクニックで、コードのカタチに指を構えたまま、4本の弦に触れているだけの状態で、弦をミュート(音を出さない状態)したまま、右手でチャカチャカ、かき鳴らします。左手と右手のコンビネーションが大事で、左手のコードを押さえる力を緩めると同時に右手のストロークが入ります。こちらもノリを良くするためのテクニックです。演奏の要所要所に効果的に使われます。こんな感じ。サンプル観てね。真ん中のギターが冒頭でやっているチャカチャカと鳴る奏法。

チャッキング奏法

ハワイアン独特のカッティング奏法の一種です。左手で行っていたミュートと同時に右手で弦をかき鳴らす奏法を、すべて右手でやってやろう、という考え方です。ストラミングの要所要所で、右手の手のひら(小指側の部分)を4本すべての弦に叩きつけながら、同時に指でストロークをしようという奏法で、スネアドラムのような効果を演出します。

チャッキングはこんな感じ。左のウクレレがやっている、2拍おきに入れているリズムのような音。

次にトリプレットの説明です。これはストラミングの種類のひとつなので、もっと上に書くべきだったのですが、高等テクニックなので、最後に覚えることになると思いますので、最後に記述することにしました。

トリプレットストラム(三連譜)

フラメンコギターで使われるスタイルで、ハワイアンでも使われるテクニックです。4ビートの曲であれば、ワン、ツー、スリー、フォーとビートを数えていきますね。一拍一拍ごとに、「タタタ、タタタ、タタタ、タタタ」と3回ずつコードを鳴らしてあげる奏法です。

人差し指と親指を開いて、手首を下に返すと同時にダウン時二回(最初に人差し指があたり、次に親指があたる感じ)弾いてあげる、アップ時一回ストロークのトリプレットストラミング。これがちゃんと「タタタ、タタタ、」と均等なリズムで早く奏でられるようになると、素人目にも何をやっているのかわからない、超上級者の印象が与えられるプレーヤーになります。

リズムは均等にタタタと鳴らせるまでには時間がかかります。人それぞれやり方は異なりますが、自分の場合は、人差し指を第二関節から動かしてあげています。うまく伝わらないので、映像を添付します。自分が書いた奏法は、ダウンで二回、アップで一回の方法ですが、ジェイク君はダウンで一回、アップで二回のスタイルですね。どっちでもかまわないです。同じ効果が出せればいいんです。

トリプレットは効果的に使う

でもトリプレットは使いすぎないで。通常のストラミングに効果的に要所要所で組み込んでいくと、素晴らしいグルーブが生まれます。効果的な使い方はこんな感じ。時々入れるととっても格好いいでしょ?彼も独特ですね。トリプレットを入れるときに、手が全部開きますね。おそらく3本指でやっていると思います。

彼のウクレレには、こちらで説明したテクニックがたくさん盛り込まれています。ストレートベーシックストラムにトリプレットを要所要所で入れつつ、チャッキング、カッティング、アップストロークずらし、スリーフィンガー。

最後に、これを読むことによって、楽器たった一本の弾き語りであったとしても、そこに感情を込め、違いを生み出す奏法というのが存在するのだということを理解してもらえると思います。

上級者はウクレレやギター一本でも2名分の働きをします。

ハワイアンの美しさとは、流れを止めないこと。かといって、止めるべきところはミュートしてリズムを区切ってあげる。このリズムを早く弾いてあげると、疾走感とノリが生まれます。このような表現をすると、ショウで観客が踊り始めます。この瞬間がたまらん。

他にも、分類が違うためこちらでは説明しきれないテクニックいくつかあります。忘れないうちにこちらに書いておきますので、後日ご案内させていただきます。

ピッキング、キホ・アル、パ・アニ、フィンガリング、プリングオフ、Gワヒネ、オープンチューニング、ハワイアンシャッフル、スライド、スラー、バレエ、パームミュート、耳コピ、音楽の正しい聴き方、ハワイアンスケールなど。

これ以外のテクニックもまた、別ページにてご案内しています。過去記事も読んでください。マハロ

質問などありましたらコメントくださいね mahalo