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8月 12

ハワイアンスラックキー

ハワイアンスラックキー

ギターの奏法なので、厳密に言うとウクレレの奏法ではありませんが、こちらに書くことにしました。ウクレレにも応用が利くということで、試したい方は試してみてください。

その昔開拓時代のことです。といっても19世紀前半のことです。メキシコやスペインからカウボーイをビッグアイランドの農場に招いたんですね。当時のハワイアン従業員にノウハウを学ばせるためです。彼らが持っていたのが、ギター。ウクレレもすでにハワイに上陸していたのですが(諸説あります)、まだ普及には至っていませんでした。

そんなハワイアンが見た初めての弦楽器。当時は教会で賛美歌など歌っていたので、もともと歌好きなハワイアンは、西洋音楽がとっても好き。ピアノやオルガンは高価でとても手が出ません。けれどこんなに小さい楽器なのに楽しくカニカピラしているカウボーイ達を見て、ハワイアンはたちまちトリコになりました。

何年か経って、カウボーイ達は国に帰ります。諸説あるのですが、

1:カウボーイたちが置き忘れたギターを手にした

2:感謝の気持ちでギターを置いていってくれた

僕は2番だったと思います。ハワイアンが自分達のパーティーにカウボーイを招かなかったわけはないし、持ち前のホスピタリティで外国人にも感謝されたはずだから。

けれど、肝心の奏法は習わなかったみたいですね。

それで、耳で覚えたようにギターを弾いてみようと思った人が、こんな感じじゃなかったかな、とチューニングをして弾き始めたのがスラックキーギターの始まり。

ギターのスタンダードチューニングは、E-A-D-G-B-E。

それに対して、スラックキーチューニングは、コードを押さえなくとも和音が鳴るようにした調弦方法のこと、それに伴う奏法のことです。ビギンの楽器、一五一会も同じ考え方ですね。

「スラック」とは緩めるという意味。ハワイ語では”kiho’alu”と言います。

さてそのチューニング。各自が独自にいろいろなチューニングを編み出したので、各家庭に一つずつのチューニングが存在します。一説には100種類以上とも言われています。

僕が良く使うのは、TAROPATCH(タロパッチ。タロイモ畑という意味。)大学時代に文献を調べましたが、何故タロパッチと呼ぶのかは、憶測でしか書いてありませんでした。主食であるタロイモ畑のように、全てのスラックキーの基本となるべきチューニングだからです。オープンGとDの良いとこ取りのチューニングで、両方に対応している便利なチューニングです。D-G-D-G-B-D。スタンダードチューニングから6弦、5弦、1弦を緩めて作ります。

他に、C-WAHINEチューニング C-G-D-G-B-D、オープンEチューニング E-B-E-G#-B-Eなど。この3種を覚えておけばとりあえず問題なし。各チューニングごとにコードやスケールも覚え直さないといけないので、これ以上は脳がパンクします。

オープンEは、ブルースで良く使われるチューニング。厳密に言うとスラックキーではないのですが、あえてここで紹介することにしました。スチールギターやカントリー系ハワイアンソングなどでよく使われるチューニングだからです。僕の大好きなOlomana, Jerry SantosのKu’u Home O Kahalu’uもこのチューニングです。余談ですがブルースではボトルネックに指を差し込んでスライドギターですね。

何故スラックキーなのか。それはスラックキーを少しかじるとわかるのですが、ある曲を弾きたい、と思ったら、指が6本、または手が2本ないと物理的に弾けない曲にぶち当たります。それはスラックキーにチューニングすると解決します。オープンチューニングならば2本の手で表現できるのです。

そんなスラックキー。ある曲はスラックキーで弾いた方が理にかなっている、けれど他の曲はスタンダードで弾いた方が良い、など、曲の性質により異なります。なので、複数のギターがどうしても欲しくなります。

また、常に弦を緩めた状態で保管するため、専用のセッティングを施さないといけないなど、面倒もあります。弦のテンションが緩んでいる分だけ、弦高を調整(アコースティックギターの場合は、ブリッジを削る)、ネックの反り調整などをしないといけません。

とわかっているものの、自分は何もしていません。弦を緩めたまま数年保管していてもネックの反りなどでていないので、放置しています。本当はやらないといけないけれど、そんなお金があったら新しいウクレレ欲しいし。まああまり気をつけるこっちゃないです。本来はやらないといけないということだけ知っていて、あとは自己責任ということを理解していれば。

けれどいつもチューニングを合わせ直すのは面倒なので、いずれにしても複数のギター欲しくなります。ライブでも複数ないと不便きわまりない。MCで時間引き延ばしてもらって、チューニング直すなんて、HAPAやGeorge Kahumokuくらいしか許されないと思います。

スラックキーができる、というだけで、ちょっと皆から一目置かれますので、覚える暇があったら覚えてみるのもいいかな、と思います。

質問などありましたらコメントくださいね mahalo