ハワイ・オアフの教育事情:中学高校編

このブログは体験をもとに書かれています。よって現在は異なる場合がありますし、中学高校大学の話題しか書けませんので予めご了承を。

まずは高校の話題から。ハワイには多種多様の人種が存在します。前出の記事で書いた地域に関するお話には、テーマが歌と地域だったので書けませんでしたが、マノア、カハラ、ハワイカイは日系人、カイルアとハワイカイは白人、エヴァ、マカハ、ナナクリはハワイ人、パールシティとニミッツは軍人、カリヒはフィリピン、カパフル、カイムキ、ダウンタウンはアジア系、(あくまでも一般的なお話ですが)など、悲しいことですが住み分けがされています。

高校もこの例に漏れることなく、民族間の住み分けがされています。そんななかでも、面白い4つの私立高校の話題を書きます。ハワイに少しでも興味があれば、予想以上に面白いです。

カメハメハスクール Kamehameha School

ハワイアンの血が入っていないと通えないカメハメハスクール。家系の証明が必要。高校でバレー部だったので、アウェイで乗り込んだらびっくりすること沢山ありました。山全体が学校。授業毎の移動にバス使うくらい広大だ。幼稚園から高校、寮まであります。ハワイ語、フラ、ウクレレは必須科目。羨ましい。ハワイアンとはなんぞや、という考えを知らずに叩き込まれ、誇りをもって文化を守っていく役割を知らず知らず担っています。

そんなカメハメハスクール。幼稚園から高校まで、途中編入なしに 15年勤め上げた人は、”son of kamehameha”の称号が貰える。僕のバンドのヴォーカルとウクレレソロ担当はサンオブカメハメハです。他のハワイアンにも一目おかれていて、その時々の決断は、典型的 なハワイアンの考え方を教えてくれる。

プナホウスクール Punahou School

ハワイナンバーワンの進学校。プナホウスクール。カメハメハとプナホウはスポーツ何でも強いんです。プナホウは白人比率が多い。全米ナンバーワンの広さと聞きました。高校在学中から大学の単位が取れます。裏の通りには、一年に一度しか咲かない月下美人が大量に。これが満開なのを一緒に見た人と僕は結婚しました。興味がある方は月下美人が咲く季節にぜひ!

イオラニスクール Iolani School

さて、ハワイナンバーツーの学校、イオラニスクール。ここもスポーツ強い。歴史の長い高校。イオラニ宮殿と同じ名前がついていますよね?神父さんがカメハメハ4世に頼まれたかお伺い立てたかで作られた唯一の学校。全米4位生徒数を誇る。アジア系が多かったなあ。敷地は結構狭い。間口が狭いから小さく見えるだけか?孫文さんはこの高校卒業ですよ。歴史上の人物が先輩なんてそうそうありませんよね?「僕の大学時代付き合っていた人の弟の先輩は孫文です」とたまーにネタにさせていただいています。

ミッドパシフィックインスティテュート Mid-Pacific Institute

そして我が母校、ミッドパシフィック。完全に日系学校。といって も日本語通じるというわけではない。皆4世とかだから。前述の学校たちだけにはスポーツ何やっても野球以外は勝てない。学力も4位、スポーツも4位。学校毎に人種で別れているので、交流戦はチケット売れてものすごく盛り上がる。

アメリカの学校は9月スタートの2学期制。ファーストセメスター、セカンドセメスターとあります。これがさらに二分割されて、ファーストクォーター、セカンドクォーター、サードクォーター、フォースクォーターに分かれます。各クォーターの終わりに試験があります。ファーストクォーターの終わりに中間テストです。

成績はA、B、C、D、Fでつけられます。点数はAが平均90点台、Bが平均80点台、Cが平均70点台、Dが平均60点台、Fが平均50点台で、さらにAプラス100点~98点、A97点~94点、Aマイナス93点から90点という風に、区分けされてつけられます。相対評価ではなく、テストの平均点で本人の実力が測られる。

また、各教科の評価だけではなく、GPA(グレードポイントアベレージ)という、全教科のポイントが毎年計算されます。平均値Aが4、Bが3、Cが2、Dが1、Fが0といった風につけられ、全教科の平均を取ります。これが入学からずっと平均値を取られます。プロ野球の打率と同じように、ワンゲームでもノーヒットだと平均値が劇的に落ちます。これを元の値に取り戻すには、ヒットを連続で何回も繰り返さないと元の値に回復しません。

ということは、GPA3だった人が一度でもたった一つの教科で70点を取ってしまうと一気に2.2とかまで落ちるということです。3以上の生徒は毎セメスター学校から表彰され、学校ロゴの入ったオーナーロールステッカーがもらえます。これを親が車に貼って、周りに自慢するのです。カメハメハやプナホウのオーナーロールステッカーなんてもう鼻高々ですよ。

GPAの話が出たついでに。ハワイ大学の学費には、住民価格(アメリカ人であっても住民票がなければ高い)と非住民価格があります。住民は年間150万円。非住民と留学生は年間30万円。大きな開きがあります。ただ、GPS3以上のオーナーロール生徒は、非住民や留学生であっても地元価格が受けられます。僕は3から落ちた瞬間に学費が高すぎになって、日本に帰ってきました。80点以下を一度でも取るとこういう結果になります。まだ途中までの単位は存在しているので、いつか卒業してやろうと思っていますよ。もちろん。でも、あのまま卒業していれば、一年間の就業資格を国から得て、そのあいだに会社からビザを取得してもらって、ハワイにい続ける結果もあったのかと思うと、残念でなりません。

高校の話題に戻ります。

私立学校においては、入るのも難関だけど、卒業するのはもっと難関。成績落ちると生徒をすぐ首にします。GPA3を切ると両親が呼び出されます。ということは在学の6年間(私立は大概6年制です。中高一貫。)に三回70点以下を取ってしまうともう赤信号。タバコで捕まって停学になったりしたので、よく生き残れたもんだ。

夏休みは3ヶ月あります。でも生徒は休むわけではなく、遅れた、またはとり逃した単位を取り戻すため、サマースクールに通います。サマースクールはどこの学校に通っても良い。

渡る世間に出てきた、マッキンリースクール。サマースクールで通いました。サングラスでタバコ吸いながら授業を受けます。先生の話も聞かず、かといってうるさくするわけでもなし、皆寝てる。教科書もレンタルなので、一つも目を通すことなし。テストもなしで単位取得しました。これもまたカルチャーショックでした。

渡る世間は鬼ばかりでマッキンリー通っていた子、全うな大人になれたのか?ドラッグ売ってる生徒もいたし、拳銃も持ってたよ?

さてスポーツ活動に関してなんですが、アメリカの学校か、ワンクォーターごとにスポーツのシーズンがあります。ファーストクォーターはバレーボール。セカンドはサッカー、バスケ。フォースはアメフトと野球など。他は忘れました。セメスターやクォーターごとにチームを召集して解散します。僕はバレーボール、サッカー、陸上をやっていました。これも単位になりますし、学校ごとの盛り上がりが、地域と両親を巻き込んで大きなイベントになりますので、僕はこれでたくさんの人に名前を覚えてもらいました。スポーツはやるべき。

子供をハワイで育てたいと思っている方は、本当に良くリサーチしないと大変な目に合います。運良くプナホウに受かっても、白人ばかりの中に放り込まれても、とても居心地が悪いです。

質問などありましたらコメントくださいね mahalo