ウクレレを選ぶ理由

あまたある楽器のなかから、そもそも何でウクレレを選ぶんだろう。

持ち歩きやすい?4弦しかないから簡単そう?手軽?決して安くはないよねえ?

僕が一人でハワイアンソングを弾き語りするとき、当然のことながら、ギターを選ぶ。ウクレレ一本で表現するよりも厚みのある、深い表現ができるし、コードの自由度も選択肢が増える。

というのは、ウクレレという楽器はA,Bb,C,D,F,Gのコードを弾くのは最適に作られています。これ以外のコードって、ちょっと面倒くさい。アメリカンポップスでよくある、EbとかBとか、弾くときにはちょっと難儀する。これを無理して覚えるくらいならギターを手にします。ウクレレで無理して弾くよりも楽だから。

ウクレレはハワイアン楽器

当然のことながら、ハワイアンミュージックを弾くのに最適に作られています。または、この楽器が作られたときの、楽器の性質に合わせてハワイアンミュージックが進化してきたか。弦のテンションが、これ以上張りすぎると楽器が壊れる、またはゆるめすぎるとネックが変形するなど、最適のテンションで張ったチューニングがGCEA。Gのキーを構成するコードたちとCのキーを構成するコードたちを弾くために作られた楽器です。

僕みたいに、ハワイアンミュージックを中学生から学んできて、それを弾くためにウクレレを選んだっていうパターンもありますが、ウクレレの音色が好き、簡単そう、小さい、という理由もありますね。でもウクレレを手にしてインストの曲を弾いたりする方は何でギターじゃなかったんだろうね。

いろいろ考えますが、答えは出ない。みんなの考えも聞かせてほしいな。

ハワイアンファルセット

ハワイ専門でこちらのページやってますもんで、格好良くハワイアンファルセットとタイトル付けしてみたけれど、単なるファルセットのことですあしからず。

ファルセットって知ってますか?ある音楽番組の受け売りですが、このなかでは「息声」と表現していました。高音域で、のどを開いて息を多く使う発声方法です。通常の歌声で歌うのとは違い、か細い声で高音域に逃げていく歌のスタイルのことです。

ちなみに裏声とは異なります。実にたくさんの方がこれをファルセットと勘違いをして使っています。仮声とも言います。のどの粘膜を狭めて発声させます。高音が楽に発声できて、上手に聞こえますが、多用すると胸やのどを痛めます。実は自分もコレしかできません。ファルセット練習しないとな。ハワイアンヨーデルや、スローなフラソングに必須??のテクニックだからね。

ホイットニーヒューストン、マライアキャリー、森山直太郎、エグザイル、MISIA、美空ひばり。聴いてみてください。ファルセットをどこで使っているかわかりますか?

美空ひばりさんで言えば、みだれ髪のなかの、「憎や恋しや、塩谷の岬」

森山直太郎さんでいえば、「僕らはきっと待ってる」の「きっと」の部分でファルセットに逃げていきます。

人間の声というのは、低音域から高音域にあがっていくにしたがって、これ以上地声で出ない、というポイントがあります。人それぞれの音域があります。ちなみにこの音域を広げるエクササイズもあったりします。ファルセットは、もうこれ以上出ないよ、というポイントで、息をたくさん使って、のどを開いて、少しか細い感じの声に切り替わる音域のことです。

人によっては、ファルセットの音域でありながら、地声の音域とオーバーラップしているパターンもあれば、ファルセットの音域すべてを地声でカバーできて、好きな音の高さで切り替えることができる人もいます。このくらいの達人になりたいものです。

ハワイアンソングは、アメリカ南部のカントリーの影響もあって、これが取り入れられ始めたころから、ファルセットが使われるようになりました。ハワイアンヨーデルや美しいスローフラソングにも必須のテクニックです。でもできないんだよな。ガンバって覚えて、みんなにも教えられるように頑張るね。言葉の途中で急にファルセットに逃げる歌い方が格好いいんだ。

ちなみに、現在ではマウイ島でファルセットコンテストというのが毎年開催されています。ハワイアンを歌うなら、ファルセットがうまいに越したことはないですね。

ハワイの歌姫、Raiateaちゃん。Ho’opi’i Brothersなど、ファルセットで有名なハワイアンシンガーはたくさんいます。サンプルを載せておきます。「ALIKA」という同じ曲を、二人のファルセットシンガーがどういう風に歌っているかを見てください。

反面、Amy Hanaiali’i Gilliomのように、ファルセットを一切使わず、高音域までを力強い地声で歌う人もいたりします。ファルセットできるくせに、使わない選択もありってことね。ファルセットではないハイトーンの声も聴いてみてください。

ハワイアンヨーデル

今日はハワイアンカントリーとヨーデルについてお話します。

カントリーミュージックは、1970年から1980年にハワイアンミュージックに取り入れられて、ハワイオリジナルとして定着しました。

例えるならば、日本に取り入れられたカレー文化のように、現在は立派な日本食として定着しているようなもの。ハワイアンミュージックを語る上では切っても切り離せない関係です。

ヨーデルも同じく、カントリーミュージックと共に輸入されました。ヨーロッパからの輸入ではなく、テネシーやテキサスなど、アメリカ南部からの輸入です。

主にビッグアイランドのこと、ワイメアのカムエラを歌った曲が多いのですが、マウイにもパニオロ(カウボーイ)が活躍する牧場はいくつかあります。ファルセット(裏声)でキレイに歌い上げるのが特徴で、とっても難しい歌のジャンルです。現在はファルセットコンテストのある、マウイがメッカです。

さて、このハワイアンヨーデル、歌い方にいくつかのスタイルがあります。

1、ヨーデルスタイル:通常のヨーデルと同じく、「ヨロレイヨロレイ」と歌われるスタイル

2、ウララエスタイル:こちらもヨーデルに近いです。「ウララエウララエ」と歌われます。

3、ロゼラニスタイル:ハワイアンであるがゆえに、ハワイ風に歌われないといけません。「ヨロレイ」の代わりに、「ロゼラニ」で置き換えられます。ロゼラニとは、ハワイ語でバラのことです。ヨーデルであっても、自然を気持ちよく歌い上げるのがハワイアンの特徴です。

4、ハナレイスタイル:ハナレイという土地があります。「ハナレイハナレイ」と連呼して歌い上げるので、ヨロレイと語感が似ていて、良く使われます。

このように、他の音楽文化を取り入れて、単なるパクリで終わらないのは、カレーが日本食に進化したのと同じように、ハワイアンミュージックにおいても、さまざまなアレンジを加えているからです。

ハワイアンといえば、スチールギターで、ゆっくりとした音楽、聴いていてあまり面白くない音楽、と思われがちですが、グルーブがあって、ノリの良い音楽なんだよ、ということを紹介したいんです。次回は暇を見つけて、レゲエミュージックや賛美歌がどのように取り入れられたかをご紹介させていただきます。