ハワイアンアルファベット

ハワイ固有の言語であるハワイ語。1980年代から始まったハワイアンルネサンスにより、それまでは細々と残っていたハワイ文化、フラ、ハワイアンミュージックが脚光をあび、広がりを見せています。ハワイ州でのCDの売れ行きも大幅に伸びて、ローカルのみんながハワイアンソングを聴き始めたのもこのころで、メガヒットを飛ばすバンドも現れたりなんかして。

それ以前のハワイ音楽は、英語で唄われたり、ジャズっぽくアレンジされたりなど、良い曲はたくさんあったけれど、みんなに聴かれる、という感じではなかったハワイアン。ハワイ語で歌われるようになって、意味はわからないけれどロコのみんなが口ずさんで、これをきっかけにハワイ語を習い始めるロコのみんな。

前置きが長くなりましたが、今回はそんなハワイ語のお話。発音やアルファベットを理解して、ハワイ語に親しもうっていう企画です。これを少しでも理解することによって、ハワイアンミュージックも楽しく歌えるかもね。

ハワイアンアルファベットは、日本で言うローマ字と同じ。英語を無理矢理にハワイ語に使えるように当てはめたところは、日本と同じ歴史を辿っています。

母音。A, E, I, O, Uの5つ。ローマ字と変わりません。あえいおう。

次に子音。H, K, L, M, N, P, Wの7つ。

基本的にローマ字読みでかまいませんが、Lの発音とHの発音は気をつけてください。

ALOHAのLは、日本人はRの発音をしてしまいがち。中学校で習ったLの発音記号を思い出して、若干おおげさにアゥオーハと発音したほうがアロハっぽく聞こえます。コレ、ハワイ人にからかわれます。あるハワイアンミュージシャンが、フェイスブックの書き込みで、ジョークっぽくからかった書き込みがたくさんあります。

Hの発音は、Fではなく、「う」の口で、空気を抜けさせるように。HULAの発音はHとLが入ってますから、とても難しいです。

最後に、W。WAIKIKI=ワイキキと「ダブリュー」の発音がされることもあれば、HAWAI’I=ハヴァイ・イと「ヴィー」の発音がされることがあります。例外はありますが、法則はあります。言葉の先頭に来るときは、「わ」の段で発音されることが多いです。言葉の途中に、「E」と「I」の後にWのスペルが来る時は「ヴィー」の発音がされますが、この法則は常にではありません。歌を聴きながら覚えるのが一番と思います。

日本のフラ教室ではステップの種類のひとつ、「uwehe」の発音を「ウエヘ」と教えるところがありますが、正しくは「ウヴェヘ」です。古い呼び方。最近はハワイでもウエヘと呼ばせるところが増えていますが、古いスタイルのフラを教えているところはウヴェヘです。これは上記の法則に当てはまらない「ヴィー」の発音です。他に、「kāwele」というステップの名前。これも「カーヴェレ」です。当然「L」の発音はアメリカ英語の「L」の発音です。これも上記の法則に当てはまりません。例外の単語はたくさんあるということですね。

まとめます。ハワイ語の発音。

HA   KA   LA   MA   NA   PA  WA (VA)

HE   KE   LE   ME   NE   PE   WE (VE)

HI    KI     LI    MI    NI    PI    WI (VI)

HU  KU   LU   MU   NU   PU  WU (VI)

HO  KO   LO   MO   NO   PO   WO (VO)   以上の35音です。

日本語の50音に比べて極端に少ないですね。それがハワイ語の良さとも言えます。使う音の数が少ない分、感情がこもるし、単語ひとつとっても、裏の意味をこめて話す言葉なので、相手の気持ちを読んだり、人の気持ちがよりわかるようになる。

これに加え、

「 ’ 」(オキナ)吃音のこと。日本語で言う小さい「っ」のことです。

「 – 」(カハコー)伸ばす音。カタカナでいう横棒のことです。ハワイ語のフォントを入れていないと、うまく表示されないので、うまく伝わらないのですが、母音の上につく横棒です。

自分がまだハワイアンミュージシャンとして駆け出しのころ、もともと英語は話せたのでHとLの発音は大丈夫だったんだけど、オキナの発音はよく叩かれました。

たとえば、kau = 置く   kāu = あなたの  ka’u = 私の

このように、伸ばす音や吃音をおろそかにすると、まったく違う意味になってしまうんです。僕はさんざん叩かれました。日本人がハワイで歌ってものになるはずがないとか、ハワイアンミュージックはハワイ人だけしか表現できないとか。

日本の方がよく間違える、pā’ina。パーティーという意味ですが、ちゃんとパー・イナと発音しないといけません。paina = 持ち上げる pa’ina = 割れる音 と、違う意味の言葉を使っています。これが日本人だけのイベントに使われているならばまだいいんですけれど、ハワイ人がゲストで招かれているイベントなんかに使われていると、とても恥ずかしい。東南アジアで日本語の間違った印刷物をネタにしているジョーク雑誌のネタになるようなものですね。フェイスブックの書き込みでも、掲載されてみんなで笑い合っています。

 コアロハの社長のフェイスブック書き込みを拝借。「Rots of harau in Okinawa」と書いてあります。日本人がエルの発音ができないことを面白く書いています。これに対して、地元の友達のつっこみがたくさん入って、楽しい書き込みになっています。つい僕も、「too many fura dancers!!」と書いてしまいました。まあネタってことで。

HAWAI’IAN。これも間違い。HAWAIIANは英語なので、オキナを使いません。

他にもいろいろ気になった、間違って使われている言葉もあるのですが、たくさん書くことになるので、ここでは省略しますが、他にもイベントの印刷物や、フェイスブックでフラ好きが書き込む言葉に間違いをたくさん見つけます。

決してあら捜しをしているのではないんです。いいネタになるから、自分も写真撮って友達に送ったりして、楽しく笑ってます。これは人種がたくさん入っているハワイアンの特性なのでお気になさらず。笑いですべてを許容しようというこころ。

フラの先生も、間違った使い方で習って勘違いをされたままのかたが大勢いらっしゃいますので、一応自分でもオンラインハワイ語辞書など使って、確認をしたうえでハワイ語は使われることをお勧めします。特に印刷物に残ってしまうのはとっても恥ずかしいです。

日本ではとっても有名なフラの先生でありながら、ハワイ語もたくさん知っている。けれど間違いはわからない。とハワイ人のクムとお話したときに、言っていました。「じゃあなんでその場で言ってあげないの?」と聞いたところ、「アイノケア Ai No Kea(アイドンケア = I don’t careのハワイ訛り)」と高笑いしていました。

さて本題に戻ります。

ハワイ語に使われるアルファベットはたったの12個。前出のとおり、AEHIKLMNOPUWしかありません。

 じゃあ、ないアルファベットはどーすんの?この場合、中国語でいう当て字を使います。アルファベット12個で強引に表現してしまおうってことです。

たとえば、BはPで置き換えます。DはKで置き換えます。VはWで置き換えます。

ハワイアンの名前や、英語を強引にハワイ語に当てはめるときに、この手法が使われます。

置き換え表はこちら。

B=P  C & D=K  F=P or H  G=K  J=K  Q=K  

R=L  S & T=K  V=W  X=K  Y=I  Z=K

もともとハワイ語にはなかった言葉を例に挙げます。

CAR(カー)= KA’A(カ・ア)  

HOME(ホーム)= HOME(ホメ) 

PARK(パーク)= PAKA(パカ)

HILL(ヒル)= HILA(ヒラ)というふうに、外来語がハワイ語として定着します。これに関してはまた後日詳しく書きます。

今度は名前について。ハワイアンの名前に関してもまた後日詳しく書くことにしますから今回は簡単に。

僕の高校の同級生に、nani(美しい)やhoku(星)なんかいました。これらはハワイネイティブの名前なのですが、上の置き換え表を使ってアメリカの名前をハワイ語に直訳するとどうなるでしょう。Alika=Alex  Kawika=David など。Alikaさんはアメリカ本土に引っ越すとAlexと呼ばれます。

もちろん日本語の名前も置き換えが可能です。メッセージくださればあなたの名前もハワイ語に置き換えますよ。僕の名前はULU。ハワイアンネームですが、もちろん親からもらった日本語の名前もあります。shinichiなのでkinikiとなります。konishikiはkonikikiです。存在しない”s”を置き換えるだけです。もう少し格好良い響きに変換できる名前ならよかったなあ、と思います。

長くなりましたが、ハワイアンミュージックが好きで、唄ったりすることも好きなら、覚えておいても損はないと思います。もしよかったら参考になさってください。

ハワイの刺青文化

hawaii_irezumiハワイ人の刺青は、部族や家族毎に固有の幾何学模様があります。三角や直線、又は自然をモチーフとした模様があります。ハワイらしい模様をご紹介。画像の拝借先を書かないといけないのですが、かなり前にDLしたものなので、忘れていてすみません。

さ てそんなタトゥー。フラダンサーやカフナは入れてはいけませ ん。神事を行えなくなります。フラダンサーならピアスもダメ。戦人だけが許されていました。ちなみに本来のフラは男性が踊るものでした。 E Ho’i Mai I Ka Piko Hula フラの原点に戻ろう。

ハワイの刺青文化

僕の友達は4分の1ハワイアン。父方が日系人で、彼のタトゥーは とても面白い。背中一面家系図。漢字の苗字、父、母、などの文字が入っています。戦場で亡くなっても大丈夫さと冗談にならないことを言ってました。まあ自 分の生まれと血を大事にするのはポリネシアに色濃く残った文化ですなあ。

 

ハワイアンミュージックはハワイ人の魂に語りかける

文化に根ざした音楽を民謡と言います。ハワイアンミュージックはハワイ民謡ともいえますね。民謡とは、口伝で伝えられるもの、と定義するならば、ハワイアンチャントやカヒコがこれにあたります。

反面、演歌とは、DNAに刷り込まれる日本人の心。えー演歌あ?演歌って面白くないよ、と言われるかもしれませんが、これまでヒットした歌謡曲やポップスのうち、実に6割が演歌の流れ、マイナーコードを使っていますので、演歌がルーツといえなくもない。

日本の演歌。テーマは人生。そこでマイナーコードが選択されるんですね。

ハワイアンはどうでしょう。

DNAに刷り込まれる音楽文化の柱、という意味ではハワイアンはハワイ人にとっての演歌といってもいいと思います。

演歌との大きな違いは、人生を歌うのではなく、自然を歌うということ。

ということで、マイナーコードではなく、メジャーコードが選択される、というか、必然としてそれしか選択できない。

ここでおさらい。メジャーコード(長調)の与える印象は、広がり、明るさ、青い空。

反面マイナーコード(短調)は閉塞感、暗さ、地面。

勘違いして欲しくないのは、暗いということが悪いということではないということ。とっても格好いい歌はたくさんありますし、マイナーコードを使いながらマイナーを感じさせない明るい歌も存在します。民族性をあらわした、必然の選択なのです。

ハワイアンにも、メジャーコードのみを使っているのに、暗さを感じさせる歌、ありますよ。ひとつの例、Hawai’i ’78。使っているコードはD,C,Bb。正しい名称はDメジャー、Cメジャー、Bbメジャーコード。コードとは、3つ以上の音を同時に鳴らす伴奏、和音のことです。全部メジャーコードでありながら、悲しみや哀愁を感じさせますよね?とっても不思議。歌詞が持つ、自然が失われていく今の現状を、古きよき時代の王様が見たらどう思うだろう。申し訳ない。といった歌詞に適合している雰囲気がでていますね?

また、ケアリ・イ レイシェルのように、Fメジャーコードを主体としていながら、なんともいえない哀愁を感じさせる曲の作り方など、メジャーコードだから明るい、ともいえないのが面白いんですけどね。

さて話を戻します。

演歌とハワイアンの共通点は、どちらも音楽文化を語る上でDNAの根底、そこで生まれ育った人はその影響をどうしても受けるということ。

大きな違いは、その歌う内容にあること。歌詞の内容が、人生を歌うのか、自然の美しさを歌うのかによって、必然として、雰囲気作り、メジャーコードとマイナーコードの選択があるということ。